波長が合う人、合わない人
よく人間関係、対人関係において、気が合う人には「この人とは波長が合う」とか、どことなく調子の合わない人には「波長が合わない」と言ったりします。また、ことわざでは「類は友を呼ぶ」とか、スピリチュアルな観点で言えば「引き寄せの法則」などと言ったりします。それぞれ違った角度での捉え方ですが、コミュニケーションにおえる観点からすれば、結局はどれも同じ事と言えます。
それらは実態のある事ではなく、あまりに漠然として感覚的に解釈することでしか理解するしかありません。もっと違った視点から考えれば、その実態がつかめないでしょうか。それには科学的視点が一番なのですが、大抵調べていくと、オカルト的思考に陥ってしまいます。

学生時代、工学部で物理学や量子力学、電磁気学を習い、電気や光について専攻してきたので、「波長」と聞くと、工学的視点で捉える節があります。「波長が合う、合わない」とかいう類の話は一般には文系分野になるのですが、それを理系的視点で考えてみるとどのように考えられるかを簡単に考えてみました。
工学的における「波長」とは?
「波長」とは、いわゆる波のことです。視覚的には水が分かりやすいと思います。波面が山と谷が交互進行していく現象です。波は山、谷、山、谷、山...と連続して繰り返されますが、工学的に言えば、「波長」とは、山、谷が一周だけの長さ、距離の事です。
また、速度=距離÷時間のように周波数=波の進行速度(1秒間に波が進む距離)÷波長の関係があります。よって「周波数」も「波長」と同じような意味合いになります。
現在はデジタル化が進み、パルス信号となりましたが、アナログ放送時のテレビ電波や今でもアナログ電波が主体であるラジオのAM、FM電波や家の電気の100V交流電源は山と谷のある「波」によって、電気や信号の送信が行われています。
ですから、家電や電化製品は「波」(波長)と切っても切り離せない関係にあるのです。また、ラジオは受信する周波数を切り替えることでチャンネルを変えられるようになっています。
さらに、光学的に考えると、光の波長が長ければ長いほど、赤い色の光で「赤外線」となり、光の波長が短ければ短いほど、紫色の光「紫外線」となります。
つまり、「波長」と言われるものは、私たちの本当に身近にあることが分かります。それらの影響が受けていれば、当然、私たちにも「波長」による影響が細胞レベルであるかもしれません。しかし、これは「波長が合う、合わない」という意味とは違います。
「波長」とは「サイクル」の事
山、谷そして山が繰り返されるように、「波長」とは一定のサイクルの事を意味することでもあります。自然界にもそのサイクルはあります。1日は朝から昼、そして夜が訪れ、また夜が明け、朝が来るサイクルでもありますし、1年は春夏秋冬のサイクルで成り立っています。
それは地球の自転、公転によるものですが、その自然の摂理に沿って私たちが存在している限り、それを否定することも無視することも出来ません。そのサイクルや波長に沿って生きているのです。
毎日、毎日同じことの繰り返しの生活パターンを変える努力
私たちも朝起きて、朝食を食べ、仕事に行き、帰って夕食を食べ、風呂に入って寝るというように、生活もサイクルができてしまうのは当然の事で、それを「波長」として考える事もできます。
自分でも気づかない内に生活パターンが決まってきて、つまらない毎日を送っているのではないかと、もっと華々しい生活スタイルになるにはどうしたらいいのかと、誰でも一度は考えたことがあるのはずです。
しかし、趣味を変えたり、環境や生活スタイル変えようと、もがき苦しんでも、結局変えられないのがおちです。その原因は「波長」が変化していないからだと思うのです。例えば、朝1時間早く起き、1時間早く朝食を食べ、仕事に行き、1時間早く夕食を食べ、1時間早く寝るというように生活スタイルを1時間、前倒ししたとしましょう。
しかし、それは、「波長」の観点からすると、位相が変わったにすぎず、波形、波長自体は、全く違わないことになるのです。
実際に生活パターンを変える、波長を変えるという事は難しいことに思えます。今まで習慣のあることをしない、あるいは実績のないことを取り入れるということは、相当の労力が必要になるからです。早寝早起きぐらいでは変えられないもので、それが困難だからこそ、努力が必要なのです。
強いて言えば、現在と戦国時代の慣習の違いの差ほど変える努力、労力が必要かと。
先にも述べたように「波長を変える」ということは「周波数を変える」という事「周波数を変える」という事は「チャンネルを変える」という事です。テレビのチャンネルを変えれば、全く違った映像、世界観が表れるように、私たちも波長さえ変えれば、生活スタイル、人生観が得られるかもしれません。
よく「山あり谷ありの人生」と言いますが、プラス面、マイナス面をどう受け入れるかで、巡りあわせや、運は変わっていくのかもしれません。
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