SDカード新規格「SD7.0」でメモリー容量も通信速度も頭一つ抜けた!

新規格SD7.0とは?

 SDアソシエーション がSDカードの新規格「SD7.0」を発表しました。
主な進展は二つあり、まず一つは、新たな上位規格SD Ultra Capacity(SDUC)カードが誕生し、SDメモリカード最大記憶容量がこれまで最大であるSDXCの2TBから新規格SDUCでは128TBまで拡張されます。
もう一つは、 SD Expressで従来のSDインターフェースにPCI Express、NVMeインターフ ェースを加えることにより、 Bus Speedいわゆるデータ転送速度がこれまで最速のUHS-III (624MB/s)から985MB/sに高速化します。 

f16a8b12fef740047b265bba989d7cbe_s.jpg

次世代を見据えれば、驚くほどのものではない!

 現状では128TBもあると、それほどの記憶容量はとてつもない容量に思えますが、次世代を考えると妥当な容量になります。映像がHD(ハイビジョン)化し、さらに4K化していますし、スマートフォンでは3GからLTE、4Gと、次世代を謳っていますが、本格的な次世代はスーパーハイビジョンの8KやIoT社会インフラでもある5Gにあると思っています。
それくらいになると、今の感覚でG(ギガ)がT(テラ)に置き換えられるほどの容量が当たり前になってくるでしょうし、実際、今ではM(メガ)が少なく感じられるほどになっています。
  8Kなどの高精細なテレビや映画で、映像音声データが膨大化し、それに伴い、通信速度、転送速度も高速化すれば、当然記憶容量も必要になってきます。相対的に進化しているので、飛躍的な進化も気づきにくいだけで、目覚ましい進化をしているのです。 
 もっと具体的に言えば、おおよそですが、テレビの番組、映画を2時間を記録するのに、HD(ハイビジョン)、フルHDの場合、5∼10GB記憶容量が必要ですが、4Kになれば、10倍の100GBの容量が必要になってきます。8Kにもなれば、さらに10倍の1TBの容量が必要になってくるでしょう。そう考えると、「SD7.0」の128TBは決して大きくないと思えないでしょうか。 

ディスクVS半導体メモリーVS光ファイバー

磁気ディスクと光学ディスク

 パソコンやテレビの録画に使われるHDD(ハードディスクドライブ)は磁気を利用した磁気ディスクで、DVDやBlu-ray Discはレーザー光線を利用した光学ディスクでありますが、構造は回転してデータを読み書きするため、ほとんど同じです。これらは回転するため、騒音が多少ありますし、HDDはなおさら、持ち運びに不向きです。
また、HDDのこれ以上の大容量化は難しくなってきているようですし、Blu-ray Discを超えるアーカイバルディスク(300GB~1TB)が開発されてますが、市販されるのはいつになるか分かりません。そう考えると、ディスク記録媒体に将来性はないように思えます。

SDカードなどの半導体メモリー

 SDカードには電源を切っても記録できる不揮発性メモリという半導体メモリーが使われていますが、USBメモリーも中身は同じで、最近、高速なためにHDDに打って変わっているSSDも同じ半導体メモリーです。携帯性もあり「SD7.0」のような128TBと大容量化できれば、記録メディアすべてが半導体メモリーに一掃されても不思議ではないように思えます。
しかし、今回の「SD7.0」発表はあくまで、規格上の事であり、実物が開発されるのがいつになるかは分かりません。机上の空論とまではいかなくとも、技術的にはまだまだのところにあるのが正直なところでしょう。

ベースとなる光ファイバー

 インターネットがこれほど普及する以前、イメージからもインターネットはダウンロードが基本でした。そのため、今のように自由に動画を視聴できる環境ではなく、ダウンロードで一旦、落としてから視聴するスタイルで、最近までそれが当たり前でもありました。
ところが、インターネット回線の普及と共に速度が劇的に向上してから、ダウンロード時間を待つことなく、データをダイレクトに出力するストリーミング再生機能が付くようになりました。さらにタイムラグもなくなり、インターネット放送やライブ映像配信が可能になってきました。
  どことなく、水道の水を出しっぱなしにしているようで、記録しておけるような受け皿があるほうが安心なダウンロードスタイルが身に染みているのは、古い人間なのかもしれません。今後はストリーミング再生、垂れ流しが主流なスタイルになっていくのは自然な流れです。膨大に増え続けるデータをいちいち保存している時間も暇もありませんし、そんな記録メディアも技術的にないからです。
  そうなった最大の担い手は光ファイバー網と速度の向上にあります。携帯電話回線やWi-Fiなどの無線回線がいくら速くなったとしても、それは光ファイバー通した結果でもあり、まして海外へスムーズに通信するには海底光ファイバーケーブルがあるおかげです。
  今回の「SD7.0」では、データ転送速度985MB/sと約1GB/s程度ですが、Bをb(bit)に変換すると(1B=8bit)8Gbpsです。今では10Gbpsの光ファイバー通信環境が提供開始されているところもありますので、今後の8Kや5G環境対応により現実的なのが、足元でもある光ファイバーなのです。 
 DVDをレンタルしたり、Blu-ray Discを買ったり、HDDやSDカードにダウンロードする以上に、光ファイバーでストリーミング視聴した方が断然、速く、手っ取り早く、快適であるのは言うまでもありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました