「ムーアの法則」限界!ソフトの時代へ

技術進化の頭打ちか?オーバースペックか

ここ数年、パソコンの性能はほとんど同じで、以前のような進化は目に見えて分かるほどのものではなくなってきました。この原因の一つが「ムーアの法則」と呼ばれる半導体性能が1年半から2年で倍になるという定説が覆され、進化の度合いも指数関数から比例関数なってきているためです。そのため、十数年前のように、パソコンのクロック周波数、CPU、メモリー数が各段に上がることもなくなり、ほぼ横ばいです。
一方、スマートフォンでは、携帯電話にパソコンの性能を持たせ、言わば、パソコンの小型化に成功したわけですが、それはあくまで、スマートフォンに限ったことで、性能は本家のパソコンに及ばない事は察する通りです。スマートフォンという新たな市場で、Socというスマートフォン専用のCPUが未開だったこともあり、ここ数年、スマートフォンでのスペック向上だけに注目してしまうところではあったのです。しかし、そのスマートフォンですら、今現在スペックアップが難しくなってきています。
とは言うものの、それほどのスペックをパソコンやスマートフォンに求める必要性があるかと言えば、疑問があります。せいぜい動画編集やゲームでもしない限り、現状よりスペックの高いものはそうそう必要であるとも思えないのです。そこを、技術的限界と考えるか、オーバースペックと考えるかで、電子機器へ求める憂いや不満は解消されていくのです。

このまま停滞してしまうのか?

かつてのように、パソコンやスマートフォンが成長するように、進化する時代を味わった人にしてみれば、今のような平坦な時代になってしまうことを嘆かわしく思うかもしれません。パソコンやスマートフォンもその他の家電と同じように、壊れたら、買い替えるだけの、ただ製造するだけの製品になってしまってしまいかねないからです。それでは味気ないというか、夢や希望、ロマンといったものがなくなり、それまでの時代からすれば、違和感を覚えるのも当然でしょう。
技術的にも飽和状態、限界であるならばしょうがない事でもあるのですが、少なからず進化はしています。それは半導体のコア数が増えてきていることにあります。CPUのコア数が増えたところで、CPU自体を分割しているようなものなので、半導体の集積密度が上がったわけでもなく、プロセス移行するわけでもありませんので、半導体のそのものがハードとしてスペックアップしてはいません。ムーアの法則とは違いますが、それが今の苦策とも言えるCPU性能向上への手段にはなっているのです。
そのコアが大量にあるのが、CPUとは別に映像処理や3D処理に必要なGPUですが、むしろ、これから求められる性能やスペックは、こちらの方で、4Kや8Kなどの映像編集やゲームなどには欠かせない存在になってくるのです。
つまり、これから求められるところは、GPU、半導体のコア数を増やせることで、何とか打開していけることになります。

その先は?

しかし、その先はどこに性能向上の期待や余地があるのかと言えば、それはズバリ、ソフトの方になるのかと思います。これまでのCPUは一つのコアに頼った直列処理を行ってきましたが、それはそれでより難しい計算は可能になり、従来通りの進化形態ではありましたが、一つ一つ計算する必要があり、時間が掛かります。しかも、簡単な計算を含めると、CPUすべての領域をその都度使用するわけではないので無駄があるのです。
そこで、CPUのコア数をGPUのように増やし、並列処理させることで、CPU使用領域を無駄なく活用し、処理能力を高めようとしているのです。マルチタスクが作業性や重要になってきているように、ソフト内部(ソース)でもそれが求められておかしくはないのです。しかし、それにはソフトを改める必要もあり、膨大な時間と労力が必要になってくる場合もあります。しかし、それが今考えられる唯一の打開策ならば、そこに賭けるしかないように思えるのです。

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