8Kテレビは普及するのか?矛盾点が多く混乱状態⁉

BS4K8K放送開始はされたが

 昨年の12月にBS4K8K放送が開始されましたが、市場は思ったほど盛り上がりを見せていません。ブレイクスルーの起爆剤になるほどのBS4K8K放送でしたが、8Kテレビ以前に4Kテレビすらブームになってるとは言えません。
その原因に考えられるのは、国やNHKが推し進めようとするBS4K8Kテレビ放送への構想と、テレビを開発、製造するメーカーや映像を記録し、配信するメディアでそれぞれ考えが、食い違うからなのかもしれません。
それぞれが違うところを向いているような状況の中では、私たちユーザーは右往左往するしかありませんし、立ち往生しているのが現状なのです。
そんなことで4K8Kテレビに購入、視聴に意欲的になれないように感じられます。では、国、メーカー、メディアがどのように考えているか考察してみようと思います。 

理想と現実、机上の空論

 前倒ししてまで、BS4K8K放送にあたったのは、国やNHKが構想し描いた未来はまさに、東京オリンピックという経済効果を期待しての事でしょう。しかし、その東京オリンピック自体が成功するかもあやしいところにあるだけ、ますますBS4K8K放送の立場が確立しづらくなったところにあるのではないでしょうか。
確かに、4K8K放送はスーパーハイビジョンというだけあり、高精細で臨場感あふれるものであるのは夢や希望のあるものの象徴になりえるものではあるのですが、そこに追い付ていない現実を魅せられているだけに、それ以前い意欲が削がれてしまうように思えます。
その現実とは、現ハイビジョン放送でも、十分に綺麗ではあるのですが、精細ゆえに不快な部分も鮮明に見えてしまうという諸刃の剣でもあることを知ってしまったという事で、それ以上の4K8Kテレビを求める意義が本当にあるのか懐疑的にならざるおえないのではないかと思うのです。
しかしながら、相変わらず国やNHKは東京オリンピックや楽園のような映像を売りに、BS4K8K放送の宣伝してきますし、それに魅了させられるわけでもあるのです。 

メーカーの技術的問題

 メーカーは4K8Kテレビへ製造に冷静で、地デジ化の時のような同じ轍は踏まないように開発を進めているかは分かりませんが、熱くならず、意外と冷ややかな視点で4K8Kに対応していると思います。
というより、4Kまして8Kにもなると、画質が高画質すぎて、50インチ以下であれば、識別不可能な域にあるため、8Kテレビであれば、その恩恵を受けられるのは70インチや80インチあたりになると言うのです。
それはメーカー側の技術者してのプライドなのか、こだわりなのかは分かりませんが、70インチや80インチの8Kテレビを現に発売してきています。フルハイビジョンテレビでもそのような大型テレビは発売されましたが、それはあくまで、海外での需要を見越したからで、日本の一般家庭には大きすぎるサイズであることが考えられます。
ここで矛盾があるのが、8K放送もされていない海外で超大型8Kテレビを発売しても商機がありませんし、唯一8K放送開始された日本で、超大型8Kテレビが売れるという根拠がありません。
  メーカーは本当に8Kテレビを商品として扱いたいのか、それとも、ただ技術の集大成のようにメーカーの自己満足品のようにしてしまいたいのか、否あくまで、ブラウン管の時よりもはるかに、大型化した今のテレビのように、さらに大型化で売ろうといているのかは分かりませんが、薄型化あっての大型化であっただけに、それに伴う、省スペース化、薄型化はますます求められるようになってくると思います。 

4K8Kテレビがあっても何が視聴できる?

 4Kテレビ用コンテンツはそこそこ増えましたが、まだまだ十分とは言えません。ブルーレイディスクやHDMIなどの機器対応がようやく揃ってきている事で4K視聴環境は整いつつあると言えます。8Kは出始めたばかりで、対応機器も少なければ、コンテンツもほとんどない状態で、唯一のBS4K8K放送だけが、救いとなっているように思います。
しかし、それらはまずしょうがないとして、NHKを除く、民放各社の後ろ向きな姿勢は4K対応当時から良くなかったように思います。コンシューマ向け4K機器が発売されて、業務用4K機器がないはずがないのです。
明らかに業務用4K機器は高価で導入にコストがかかるわけですが、それを取り入れず、やり過ごそうとしてきたテレビ業界に陰りを見えてきていると言わんばかりのような事態です。
むしろ、ネット配信やユーチューバーの方が4K導入に意欲的である状況では、それはテレビがネットに負ける時代が来る理由も分かるのです。
  NHKのように4K導入をスルーして、8K導入のための温存期間であったのなら、まだ良いのですが、このまま4K8K移行しないでいられるほど、現実は甘くないように思えます。その時はテレビとネットの立場は逆転して、今のラジオのような存在価値にしかなり得ていないほど、メディアとしては衰退していくのかもしれません。
映像があるだけテレビがラジオより情報量が多いように、4K8Kと情報量が多いほど、メディアとしての評価が高いのかもしれないのです。それはいくら話題性のある情報をテレビが流しても、くだらない、単なる日常を映したネット動画の方が視聴率がとれる所以ではないでしょうか。 

疑問を持つことが疑問

 ちょっと昔までは、新しいものが良いもので、当然改良されて、向上したものであるという事が、考えるまでもなく当たり前だったので、4K8Kテレビのように、より良いものに必要性を問いたり、懐疑的になる事の方が不思議な社会現状でもある時代だと思えます。新しいものに疑問を持つようになっただけに、経済や景気は悪くい方向にはあるとかと思います。
昔はそれが例え良くなくても、経済が回っていれば、臆することなく買えた時代でもあり、それがまた、景気を好循環させるようなことが起こっていたのです。経済が循環しないと新しいもの、発展もないですし、向上感もないです。そして、それが実感できる時代です。
  8Kテレビ商戦や普及をきっかけにでそれを打開していく事の方が、8Kテレビ自体よりも重要な事のように思えます。

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