4K8Kテレビはオーバースペック?
現在の地上デジタル放送に移行し、薄型テレビが普及してから月日は大分経ちます。その間、新たに4Kテレビが登場し、BS4K8K放送も開始され、いよいよメーカーから8Kテレビ発売も間近に迫ることも予見されます。
地デジ化、薄型テレビへの買い替えで、一時期テレビの出荷台数は激増しましたが、需要の先食いをしてしまったため、その後は激減しました。ようやく現在、例年の通りの出荷台数となってきたこともあり、4Kテレビが売れているといったところなのですが、それ以前に、4K8Kテレビ自体に意味があるのかという事での意見もあるのです。
技術革新の進化に異を唱えるように「4K8Kテレビは不要」とする世論が少なからずあります。それは地デジ化に伴い、新たなテレビの買い替えを余儀なくされました。決して安くない薄型テレビの購入を迫られ、今後またしても4K8Kテレビに買い替える必要性が出てくるとなると、家計的にも厳しいことが理由の一つにあります。
現行の地上デジタル放送は、たまにノイズが遅延が出るくらいで、以前のアナログ放送からすれば、ゴーストといった2重に映る現象もなく、高画質で十分なくらい綺麗な映像になりました。
これ以上のものを求める必要があるかという疑問もあります。確かに4Kテレビはそれ以上に精細さと鮮明さはありますが、多少はフルHD映像よりは良くなったのは分かりますが、アナログ放送からデジタル放送になった時のような劇的な進化は体感としてありません。
人間が画素密度を識別可能なのは、8Kテレビ当たりが限度とされています。テレビ画面を視野全体に入れた上で、それ以上の解像度は認識レベルを超えるからです。
スマートフォンでいれば、5インチフルHDディスプレイあたりが限界で、4Kディスプレイスマートフォンはパフォーマンス(宣伝目的)であると思った方が良いほどです。スマートフォンのディスプレイのスペックがHDあたりで停滞しているのは、そのためであるでしょう。
4Kどころかそれ以上の8Kに意味や意義があるのか、問いたくなるのもわからなくはないです。
ネイティブ4Kこそ4K
4Kが高精細な映像という事は、家電量販店などで4Kテレビを視聴しても分かるのですが、そのソースである映像が地上波であるなら、4Kテレビの本当の映像美を知ったわけではありません。地上デジタル放送を4Kにアップコンバートして、疑似的な4K映像を作り出しているだけでは、4K本来の精細さは表現できていないからです。
例えて言えば、素材が良くないものを、どんなに料理しても美味しくならない事と同じことです。デモ映像を視聴してみれば分かるように、真の4K映像は圧倒的に鮮明できめ細やかさ、繊細さが伝わってくるはずです。
これは8Kテレビでも言えることで、試作段階状態の8Kビデオカメラは開発されてはいますが、8K映像はほとんどありません。デモ映像はせいぜい4Kどまりで、合成やアップコンバートで8K映像を疑似的に作りあげただけなのではないかと思います。「未だかつて真の8K映像を視聴した人はいないのではないか」そんな段階で8Kを評価することこそ、意味がないようにも思えます。
圧縮が映像を劣化させる
最後に
4K8Kテレビと言えども、それは技術進展の一つの通過点にすぎないのです。今の4K8Kテレビが完成形ではなく、今後も改良をアップグレードを重ね続けた上で、4K8Kテレビが仕上がっていくでしょうし、既知の4K8Kテレビでその意味を求めたところで、答えは見つからないと思うのです。ただ、4K8Kテレビは未来のテレビとなっていくことだけは確実です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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