2018年12月からBSでスーパーハイビジョン放送(8K放送)が始まることを受けて、8Kテレビも発売される予定です。
今回その8Kテレビ実用化に向けてNIMSとシャープが広色域な白色発光ダイオード(LED)を試作し、8K放送の目標色域BT.2020規格の90%を達成し、従来同様、蛍光体LED方式での8Kテレビのバックライトにするようです。
テレビ市場において中~上位モデルの「直下型」LEDバックライトと下位モデルの「エッジ型」LEDバックライトがあります。エッジ型LEDバックライトにこの技術を応用すれば、8Kテレビエントリーモデルや兼価版モデルといった安価な8Kテレビなら割と早い段階で手に入れられるようになるかもしれません。
画素数がすべてではない!HDRの快挙
4K、8Kと画素数を上げる事だけが、高画質になるための唯一の道のりではないことを思い知らされることになったのが、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」でした。コントラストを細分化、情報化することにより、メリハリのある明暗差を出せるようになりました。
これのおかげで、のっぺらさがなくなり自然な光加減となりました。それだけで映像の印象がガラリと変わりました。つまり、バックライトのさじ加減で良し悪しを決める大きな要因になることになります。
フラッグシップモデルはプレミア価値がある
テレビがHD、フルHD、4Kそして8Kと高画質、大型薄型化してから、テレビは様々な技術開発が行われてきました。その変化は早く、より高度で先進的なスペックのテレビを求めたいものです。そのため、テレビの買い控えも考えてしまうものです。
そんな中、いつの仕様の世代でも、最高級のフラッグシップクラスのテレビがあります。当然、値段も高いですが、時代を先駆けて作ってあるもので古くもならず、機能面でもアフターサービスを受けやすいものです。また、そういったものほどメーカー側も気負っているため、盛り込まれたスペックになります。後々になって省けるところが見えてくるため、コストカットされた兼価版モデルが出たりしますが、その反面で省かれたスペックがいかに性能や機能を充実させるものであったかも後で気づくこともあります。
その例が漆黒の黒表現するパイオニア製のKUROや液晶より発色が良いプラズマテレビで、それらはもう製造されてはいなく、あるいは撤退したもので、もうこの世にはない技術ものとなってしまったわけです。そのためプレミアとして価値が残っています。
また、プラズマテレビではゲームなど遅延なく表示可能だった特性がありますが、それを今、遅延がどうしても生じる液晶テレビで必死に改良しようとしているどこか矛盾する事態に陥ってしまったのです。そのように考えれば値段が高いものには、それ相応のアドバンテージを得られますし、やはり利点もあるのです。
まだまだ発展途上段階の8Kテレビ
現段階で実用レベルの8Kテレビは8K放送目標色域BT.2020規格を100%満たしていないとすれば、まだまだ開発余地は残っていると言えそうです。今後、HDRのような新しい技術がまた出るかもわかりませんし、目的達成の「8K」だけがすべてではない広い視野を持つことが重要であると思えます。
もし4K、8Kと画素数を上げる事により、色の組み合わせが多彩となり、色域を広げられるなら、BT.2020規格と言えどもまだまだ、再現できていない色域は広いわけですから、いくら肉眼で識別不能な画素領域にあろうが、16K、32Kと更なる高みを目指すことの意義もなくはないのかと思えます。
それも今後の産業進展のための一つの手であって、液晶にしろ、プラズマにしろ一つのものの見方で境界を作るべきでもないのかと思えます。
コメント