シャープがBS8Kチューナー発売へ
今年12月に放送開始されるBS4K8K放送に向けて、シャープが先駆けてBS8Kチューナーを発売する予定となりました。しかも、放送開始前の12月までに発売される見込みです。昨年の8Kテレビの発売に続き、今年は8Kチューナーの発売をするシャープですが、現在の8K開発や進展状況からすれば、献身的なくらいシャープの8Kへの意気込みが感じられます。今回の8Kチューナーと昨年発売された8Kテレビで、実質上BS8K放送視聴は可能になります。
今年に入り、BS4K放送用チューナーの発売はピクセラを始めとする各テレビメーカーから相次いで発表がありましたが、あくまでBS4K放送だけの対応ですので、BS8K放送は対応していません。
そんなことで「8Kはまだまだかぁ」という機運ではありましたが、ここでBS8Kチューナーが発売される事は、8Kへ大きく前進したことになります。考えてもみれば、BS4K8K実用放送開始される時点で8K放送が視聴できないのであれば、何のための放送開始であり、無駄にBS8K放送電波を発信している事になります。ここは意地でもBS8K放送視聴環境を整えるべきだと思うのが当然な流れでもあると言えます。
しかし、それが問題です。
しかし、それが問題です。
HDMI2.1が規格段階で、8K伝送は?
BS4Kにしろ、BS8Kにしろ、チューナーを介する場合、4Kテレビもしくは8Kテレビに入力し、映像、音声が初めて表示されるわけですから、入出力端子、ケーブルが必要になります。そこにHDMIを用いる事になるのですが、現在最新のHDMI2.0aでは4K/60P/HDR対応しています。規格上ではHDMI2.1が発表され、8K/60P、4K/120Pまで伝送帯域幅が引き上げられましたが、フルスペック8Kの8K/120Pには届いていません。
昨年発売された世界初のシャープの8KテレビLC-70X500はHDMIを4端子、4ケーブルで8Kを表示します。それぞれのHDMI仕様が4K/60Pですので、最高でも8K/60Pまでしか出力、表示できません。それに合わせ、今回発売されるBS8Kチューナーも4本のHDMIケーブルでテレビ側に出力される仕様になるようなので、HDMI2.1搭載は間に合わないと見受けられます。せっかくの8Kテレビ視聴環境が整っても、その中身はHDMI4端子、ケーブル使用と配線がまどろっこしいものとなると、8Kテレビ視聴もあまり有意義なものとは思えなくなってきます。
つまり、いくら8Kテレビ、8Kチューナーがあったところで、HDMIといった8K伝送規格、技術的仕様が追い付いていないことが最大の問題となるのです。
BS8Kチューナー内蔵8Kテレビなら
このようにBS8K放送視聴するのに、8Kテレビと8Kチューナー単体で購入し、HDMIで接続することが条件になる場合、HDMIという8K対応がいつになるかわからないものを当てにしなければならなくなるのは、8K推進して行く上で、足を引っ張る要因になりかねないです。しかし、ここまでくれば、BS8Kチューナー内蔵された8Kテレビが発売されるのも間近でしょうし、HDMIを介する必要もなく、内部回路で処理できるBS8Kチューナー内蔵8Kテレビならば、面倒な配線も必要になくなりますし、ほとんど完全な8Kテレビであると言えるでしょう。
また、8Kコンテンツは4KのようにVODやインターネットから視聴する機会が多くなることが予想されますので、LAN接続によって、8Kテレビ視聴環境は充実していけるように思えます。 そう考えると、次々とBS4Kチューナー、またはBS4Kチューナー内蔵テレビが発売されるにあたって、早まって、下手に4Kテレビを購入するより、BS8Kチューナー内蔵8Kテレビの発売を待ってみても遅くはないように思えるのです。
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