ずばり答えはテレビが高いから!
薄型大型テレビになってからというものテレビの売れ行きが下がり、低空飛行状態が続いているそうです。
過去にはエコポイント導入など、落ち込みを改善しようとしましたが、思ったほど効果は上がらず、メーカーのテレビ事業の赤字が続きがニュースになったのは記憶に新しいかと思います。
その後は何とか回復したものの、パナソニックはプラズマ事業を撤退し、ソニーでさえ有機ELテレビで一度、断念しています。シャープは鴻海に買収され、東芝テレビ事業はハイセンスに譲渡されました。
日本のテレビメーカーの先行きがあやしい事に今も変わりはありません。
そもそも薄型大型テレビになって以降、テレビの価格が高額です。今はだいぶ安くはなりましたが、地デジ化当初、薄型大型テレビはアナログ放送時のブラウン管テレビの10倍ほど価格に跳ね上がりました。当然、売り上げが落ち込むわけです。
あの手この手で無理矢理、経済を回そうとしたためかかえって頑なになった市場であったかと思います。
3Dテレビもありました。テレビに付加価値を付けようと必死でしたが、どれもこれもパッとしなく、4Kテレビの登場でようやく、停滞感を脱したように感じます。その後は、暴落するように、格安テレビや格安4Kテレビまで発売されるようになりました。
地デジ化移行のためのお祭り騒ぎような買い替え需要はひと騒動でしたが、これだけテレビ安くなることを誰が予測できたでしょう。
ブラウン管テレビ後期の投げ売り状態に近いものがあります。
今さら感もありますが、高いテレビもまだまだあります。
それでは、テレビを購入する意欲がそがれてしまうものです。
ブラウン管テレビのように2台目、3台目と買う事自体はばかられてしまいます。
テレビからスマートフォンへ
とは言えその間、新しいメディアが登場しました。スマートフォンです。スマートフォンでの動画視聴がこれほど伸びる産業になるとは思いもよらない事でした。
特にYouTubeは飛ぶ鳥を落とす勢いでテレビ業界を侵食し始めています。生活の中でYouTubeは本当によく視聴するようになったように思います。エンターテイメント性のあるものやクオリティーの高い動画までさまざまですが、調べものですら、動画であるYouTubeが便利です。
何気ない動画配信サイトであったYouTubeが、テレビに匹敵するかのような媒体になれたのはやはりスマートフォン普及のおかげかもしれません。
その原因を作ったのはテレビ側にもあります。かつてから「テレビ離れ」が言われていましたが、それは、規制が厳しくなったのと、製作にお金をかけていない番組作りであったからです。
一方、YouTubeは当初、規制も緩く自由に配信できるため、興味本位で視聴してしまうものでしたが、最近は規制も厳しくなり、質の高い動画が多いため、それはそれで見てしまうのです。
地上波は4K画質ではありませんが、YouTubeでは4K動画があるのです。
より綺麗なYouTubeに流れて行ってもおかしくはありません。
テレビとYouTubeのクオリティーが今や逆転しつつあるわけです。
安い方に人は流れる!
最大の要因はテレビが高価だったからです。今でこそスマートフォンは高額なものになっていますが、薄型大型テレビが普及する同時期あたりは、スマートフォンユーザーを取り込もうとする動きも強く、スマートフォン自体、スペックもそれほど高くはなく低価格帯でありました。
とは言ってもYouTube視聴するくらいはぜんぜん可能であったため、スマートフォンで動画視聴スタイルがパソコン以上に容易にできるようになったのです。相変わらずテレビは高価であったため、比較的安価なスマートフォンで情報を得ようとする方向へと移っていった事が考えられます。
テレビメーカーでかつスマートフォンメーカーは今はソニーとシャープですが、テレビを売ればスマートフォンが売れないというような市場を二分してしまうものとはスマートフォン発売当初では考えてはいなかっただろうと思います。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」というように、薄型液晶テレビ、スマートフォン液晶ディスプレーのように、液晶のシャープが買収された背景にもこれがあるのではないかと思うのです。
結果的にスマートフォンがテレビより安い情報媒体であるため、テレビを視聴するより、YouTube視聴が人気が出てきているように思えます。今後、テレビが破格の値段で売り出されるようになれば、テレビ業界も返り咲くこともあるのかもしれませんが、一度根付いたユーザーを再び取り込もうとするのも、根気のいる話です。
要はメーカー側の影響力が大きいかと思います。どちらに転ぶかも、メーカー側のさじ加減一つなのです。
お読みいただきありがとうございました。
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