地上デジタル放送完全移行から8年
2003年12月に開始された地上デジタル放送は2006年12月には全国各地で放送され、2011年7月にはアナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ(一部地域を除く)完全移行しました。
そのため、これまで使われてきたアナログブラウン管テレビは地上デジタル放送専用チューナーを接続し、受信する事で視聴する事は可能でしたが、薄型テレビの登場によって一新されました。
当時の薄型テレビの代表的なプラズマテレビや液晶テレビは従来のブラウン管テレビよりも大画面化した事もあり、相当な高価な価格ではありました。地デジ化により買い替えを迫られる事態にもなり、無理しても買わざる負えない状況で、家計的には相当痛手を負ってしまう事態でもありました。
それらの薄型テレビも地上デジタル放送完全移行の数年前から売られてはいましたが、出始めは当然高く手を出せないのは分かってはいました。しかし、地上デジタル放送完全移行時でも薄型テレビの価格はそれほど下がらず、いつになったら薄型テレビが安く値ごろ感が出てくるのかやきもきする状態が続いたのです。
その頃はブラウン管テレビが相当安い価格で売られていた事もあり、薄型テレビもある程度すれば、それなりの価格にはなるだろうとは予想していたのですが、見事に裏切られたのです。希望的観測で考えてはならない良い教訓となりました。
当時から20万円するものもあれば、安くても10万円するものもあり、現在とほとんど変わらない価格であります。一部では格安4Kテレビも販売されていますが、依然として高いものは高いのです。昔からのテレビメーカーは信頼とブランド力もあるだけに、高い価格を維持してきたのは正直、誤算です。
当時から相当高価なテレビだけに、売れ行きが悪く、メーカーもテレビの価格を下げられない状態が続いてきているのだと思います。いくら設備、生産体制が整い、量産化できたとしても、売れなければ赤字が出るわけで、メーカーのテレビ事業が赤字が続いたのは需要と供給のバランスが悪かったからでしょう。ブラウン管テレビを購入する感覚とはまるで違ったため、市場も混乱したのかもしれません。
しかし、ここまでテレビの価格が下がらないと、諦めるしかないのか、慣れてきたのか分かりませんが、この価格が当たり前のような感覚に陥ります。薄型テレビがブラウン管テレビの2倍の価格である事が常識化し、理解できてくると、そこで折り合うしかないと考えるようになります。
結局、安くなる事を待ったところで前と同じ価格でテレビを購入する事になるのです。
薄型テレビが安くならない原因
地デジ化移行、薄型テレビが売れない状況下にメーカーもただ見過ごしてきたわけではなく、メーカー屈指の画像処理エンジンを搭載したり、倍速、4倍速機能、3Dテレビなど、あらゆる手を打ってきました。
あの手この手でテレビに付加価値を付け、販売しようと努力したわけで、それで今たどり着いたのが、液晶4Kテレビや有機EL4Kテレビになります。
地上デジタル放送が始まった頃と今の薄型テレビでは同じテレビでも全く違ったものになりました。画質や機能面でも向上しているからです。だから、同じ10万でも性能が全く違うように、テレビが安くなるのをこまねいて待っていた甲斐はあります。
また、よく見てみるとテレビの価格が安くなってもいます。それは地上デジタル放送開始直後の薄型テレビのインチ数は32型でも大型のイメージでしたが、今では32型では小型です。知らず知らずのうちに薄型テレビの大きさの認識が変わっているのです。
安くなったからと言って、今さら安い32インチHDテレビを欲しいとはなかなか思いづらいもので、せっかくなら40インチ以上の4Kテレビを欲しいと思うはずです。それだけ、テレビの常識も変化しているだけに、価格だけで新旧のテレビの価値を決められないのです。
4K8Kテレビも同じく高く推移!
いくら格安4Kテレビが出たところで、今後もテレビの価格が同じように推移していくのは、テレビが進化し続けれる限り変わらないでしょう。それを担っている大手テレビメーカーがこれまで通り以上に価格が設定される事も十分考えられます。
それは4Kテレビの次に8Kテレビが控えている事もあり、BS4K8K放送チューナー内蔵8Kテレビやフルスペック8Kテレビ、レコーダー、ゲーム機の8K対応のためのHDMI2.1搭載する機種など、次々に打つ手があるからです。
そうした時、テレビが安くなっていくのを待っていても、これまでと同じように安くなっていく感覚は訪れないでしょう。テレビが有機ELテレビになり更に薄型大型化する事が常識化になれば、安くなるどころか高くなる可能性もあるわけです。
であれば、今こそが買い時なのかもしれません。それを判断するのはあなたなのです。
お読みいただきありがとうございました。
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