CPUよりGPU!NVIDIAがIntelの時価総額を超える意味とは?

「CPUがすべて!」という常識

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Intelと言えば世界最大手の半導体メーカーでもあり、歴史も実績もある会社ということは、よく知られていることです。パソコンに搭載されるCPU、Intel core iシリーズが有名どころではありますが、歴代、最高峰の性能を誇っていると言っても過言ではありません。
パソコンの中枢でもあるCPUは、パソコン市場をリードする存在であることは確かで、パソコンそのものの性能を決める言っても良いほど、その役割は大きいものです。その他、半導体には、メモリ―関連もありますが、それらは二の次で、半導体の中核はCPUです。

というのが、今までの流れでもあり、常識でもありました。

ところが、ここのところ、半導体の性能がそれほど上がっていないのです。半導体界では、半導体の集積密度は1年半から2年で倍になると言った「ムーアの法則」と呼ばれる神話のようなものがあり、半導体の性能が飛躍的アップしてきたのは、歴史的背景からも事実です。

しかし、その法則が今や崩壊しつつあるのです。微細化と呼ばれるプロセス移行は今や顕著ではなくなってきているのです。集積密度を増やし、CPUの演算処理能力を上げる事に限界が来ている、もしくは思うように進まない現状があるのです。

つまり、CPUの性能が頭打ちになってきているわけです。

ここのところのCPU進化は、消費電力を減らし、発熱を抑え、パフォーマンスを上げることでやっとのようです。半導体におけるCPUの進展は、今後もあまり期待が出来ないでしょう。

とはいえ、現状のCPUでも、相当な性能があり、これ以上の演算処理能力をどこに求める必要性があるかもわからないほどです。スーパーコンピューターに必要とされるほどの性能を一般のパソコンに搭載する意味があるのかと言えば、活かしどころもなく、まさにオーバースペックでしょう。

CPUよりもGPUに!

CPUに限っていえば、これ以上の進展はあってもなくても、さほど問題にはならないです。

というのも、これから求められるのは画像処理やグラフィック能力だからです。

今では、パソコンには、高負荷を伴う高解像度の映像や3Dの立体映像には、CPUではなく、それらを専用に処理するグラフィックチップ、いわゆるGPUが搭載されるようになりました。もちろん、CPU内にもグラフィックチップは内蔵されてはいますが、心もとないものです。ゲームなどの処理能力を求められる映像には、高性能なグラフィックチップ、GPUが欠かせなくなってきているのです。

そこで、今、GPUのメーカーとして力を付けてきているのがNVIDIAなのです。

フレームレートの高い映像や、4K8Kと解像度の高い映像表現にはGPUが重要なように、CPUなどの演算処理能力よりも、今、求められているのは、高解像度表現への進展なのです。

それには、メモリーの容量も同時に必要になっていくことではあります。幸いにも、HDDやSSDなどメモリー関連は大容量化が進んでいることもあり、あとは、GPUの性能アップを待つだけになってきている状況です。

NVIDIAがIntelの時価総額を超したという事は、世界的にCPUよりもGPUに技術的進展に期待している表れもあり、4K8K映像表現や、PS5などの次世代ゲーム機にはなくてはならないものになっていきているからです。
ただ、CPU、GPU、メモリーは同じ半導体でもあり、「ムーアの法則」が適用されないということではなく、回路が複雑なCPUとは違い、GPUやメモリーにはまだまだ伸びしろがあるのです。
ということで、4K8K高解像度、高フレームレートを求めていく上では「ムーアの法則」の終焉を悲観する必要はないのです。

日本は少しズレている⁉

1980年代からの怒涛の半導体産業の成長、特に、日本が花盛りな時ではありましたが、半導体産業がその延長線上から少しシフトしたというイメージだけはあります。
パソコンからスマートフォンに移行した事でも、新たなSoCというスマートフォンやタブレット専用のCPUとなったり、メモリー関連などでも韓国、中国、台湾の半導体メーカーが躍進しているのです。
日本にかつての半導体産業の盛り上がりはありませんが、ニーズや時代的感性からズレが生じている可能性は高いです。例えれば、ガラケーからスマートフォンに買い替えない方のように。
世界的に見れば、決して、半導体産業が衰退しているわけではなく、むしろ、今後も求められていく事だけは間違いないです。日本だけの狭い視野だけで考えると、方向性を見失ってしまいますが、やはり、世界は進歩しているのです。半導体産業もCPUからGPUにシフトし、進んでいるです。
お読みいただきありがとうございました。

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