Wi-Fiもバージョンアップ!Wi-Fi 6とは?
現在使用する無線LAN規格はIEEE802.11a、11b、11g、11nと、今では当たり前にありつつある最新の11acが主流です。
そして、その次世代規格が802.11axです。
11axでは同じく2.4GHz帯と5GHz帯を用いた11acよりもデータ転送速度が30%向上し、レイテンシ(遅延時間)が25%削減され、同じ周波数帯でのデータ伝送効率4倍にもなるとされています。
そして、無線LAN技術業界団体のWi-Fi Allianceは11a、11b、11g、11n、11ac、11axといった規格表記を改良し、
Wi-Fi の世代数ごとに
Wi-Fi の世代数ごとに
Wi-Fi 6が802.11ax、
Wi-Fi 5が802.11ac、
Wi-Fi 4が802.11n
をサポートするという表記に改めました。
また、Wi-Fi Allianceに合併した「ミリ波」と呼ばれる60GHz帯の無線通信規格策定する業界団体WiGig Allianceは、帯域幅の広いIEEE 802.11adを用いて、最大7Gbpsの伝送する「WiGig」を手掛けています。
高周波数が故に減衰するため、無線通信範囲は約10mとなりますが「ビームフォーミング」によって映像などの高速ダウンロードサービスや家庭での電子機器通信に使われる見込みです。ただ、10Gbpsも可能になったEthernet、HDMI、USB、DisplayPortといった有線接続に競合して、ワイヤレス化を図れるかが課題となります。
さらにIEEE 802.11adの次世代規格がIEEE 802.11ayがありますが、なんと100Gbps無線通信を目指している模様です。合併によって「WiGig」も「Wi-Fi」に組み込まれた形になり、ますます「Wi-Fi」が充実していくことになるでしょう。
5Gに欠かせない「Wi-Fi」
5GとはLTE、4Gに続く、第5世代(Generation)移動通信システムで携帯電話をはじめとするモバイル通信のための通信インフラでもあります。4Gの通信速度が100Mbpsだったのに対し、5Gではその100倍の10Gbpsの通信速度を誇ります。
そのため、Iotといった社会基盤や利便性を一気に加速させ、ブレイクスルーを起こせるほどの革新的技術ではあります。大容量のデータ通信が可能な事から、人口カバー率も上がり、繋がりやすく高速で低遅延な通信環境が整うことが期待できます。
しかしながら、いくら5Gと言えども、従来通りのアンテナ基地局からの長距離伝送だけでは、減衰や干渉により、低遅延、大容量通信は限られた環境になってくると思われます。並行して4K、8Kとデータ大容量化していくのであれば、相対的に通信速度は上がっていかない事も考えられます。
それを補完するにも「Wi-Fi」は重要な働きをするようになってくるように思えるのです。
Wi-Fiが打開できる5Gの世界
現在、半導体の技術革新が低迷していて、従来どおりのムーアの法則が通用しなくなってきているのも事実で、パソコンどころかスマートフォンですら、これ以上のCPU処理能力向上が頭打ちになってくるのは目に見えてくるほどです。
そんな中、4K、8Kなどの大容量データを処理していけるのか疑問になってきます。まして、スマートフォンのような小型端末でそれほどのものを扱うには、それ相応のサイズ感になってしまうことを予感し得るところですが、それではスマートでも未来的でもないように思えます。
そこで重要になってくるのが「Wi-Fi」なのかと思うのです。高負荷の4K、8K映像処理やゲームはクラウドといった外部の設備に依存する形で、スマートフォン自体は映像をディスプレーするだけの最小限機能だけあれば、いくら処理能力が必要なデータも「Wi-Fi」の通信機能だけで事済ませられます。
また、これ以上のリチウムイオン電池性能向上も見込めないことから、CPUの消費電力節約にも繋がります。それがスマートフォンの未来の姿であるように思えるのです。
また「Wi-Fi」による低遅延化は意味が大きい事で、ライブ配信機能やゲーミングスマホ、オンライン接続には必要不可欠なスペックになるだけあり、CPU、Socの低迷が打開できない限り、Wi-Fiで切り開くしか道はないのかと思うのです。
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