東京オリンピックまで8Kテレビは間に合う?発売はいつ?

新BS4K8K放送開始からもうすぐ1年

 早いもので、昨年の12月に放送開始となった新BS4K8K放送からもうすぐ1年が経とうとしています。BS4K放送専用チューナーやBS4Kチュナー内蔵4Kテレビも発売され、4Kテレビは好調に売り上げを伸ばしている模様です。明らかに地上デジタル放送よりも鮮明で綺麗な映像を視聴してしまえば当然でしょう。

 また、9月1日からBS日テレ4K放送が開始されます。これで、主要民放BS4Kチャンネルが出揃い、BS4K放送が本格化されます。BS4K放送はいよいよ身近なものとなっていく事でしょう。

  ところで、新BS4K8K放送の4K放送は軌道に軌道に乗り始めましたが、BS8K放送も開始されていながらも、日の目を浴びていないのは、どうも本末転倒のように思えてなりません。どちらかと言えば、4Kよりも8Kのスーパーハイビジョン放送の目的で開発を進めてきたわけですから、これほどまでに8K放送に冷ややかなのは、少し残念に思えます。
 とは言っても、BS8K放送を視聴するために肝心の8Kテレビがシャープ1社からしか発売されていません。これからなのでしょうが、それにしても、8Kテレビへの情熱のようなものが、視聴者である購入者だけでなく、メーカーにさえ感じられないと思えてならないのです。
   

東京オリンピックは是非8Kテレビで視聴したい

 東京オリンピックという一大イベントを1年後に迫りましたが、8K放送と8Kテレビで視聴できる環境を目標にしてきた割にはどことなく「4Kでいいか」という風潮が芽生えているように感じます。

 その原因は一つは、思う以上に4Kテレビの出来が良すぎている事が上げられます。HDRを駆使した4K映像は、当初の4K映像に臨場感を与え、超薄型というだけ印象だった有機ELテレビは4K有機ELテレビで液晶以上に綺麗な映像に仕上がり、大型化にも成功してしまった現在、8Kテレビの有意義性が見い出せなくなってしまっているのかと思うのです。
 シャープから昨年発売された8Kテレビからも分かるように、家電量販店で視聴し、見比べても4Kテレビと8Kテレビの差異がほとんど感じられないほどなのです。厳密に見比べれば、8Kテレビの方が描写に余裕があるようには伺え、ポテンシャルの高さを感じますが、パッと見その差はないように思えます。
 

8Kテレビはまだ試作段階ではある

 この度「8Kアソシエーション」から8Kテレビ仕様が固まり、ようやく8Kテレビの定義づけがされました。そのため、これから本格的にメーカー側も8Kテレビ発売に乗り出せるようです。というのも、以前から発売されていたシャープの8Kテレビにおいては、インターフェースであるHDMIが4K対応で8K60 pに対応した最新のHDMI2.1が搭載されていませんでした。(今後、アップデートで対応するようですが)コーデックもHEVCであることは以前からほぼ確実でしたが、最近ではHEVCをさらに30%効率化した映像圧縮「VVC」が開発され、仕様の追加される可能性も出てきました。

 そんな8Kテレビ仕様が曖昧な中、昨年シャープが先陣を切って8Kテレビが発売されただけだったのですが、その他のメーカーは様子見といったところだっただけかもしれません。
 

各メーカーの8Kテレビ発売はもうすぐかも

 8Kテレビの仕様が固まったのは良いのですが、その仕様によると8K60pと、フレームレートが当初の8Kテレビ開発の8K120pではないので、8Kテレビの定義づけを少し甘く設定したようです。

 その理由はHDMI規格などのインターフェース関連がまだまだ追い付かないのと、今の圧縮技術でしても、放送や通信としての情報量があまりに多く、光ファイバーや電波などのインフラが十分に整っていない中で、フルスペック8Kを断固をとして推し進めるには無理があり、東京オリンピックには到底間に合いそうにないからです。
 より広義な範囲で8Kテレビを位置付けたおかげで、メーカー側も8Kテレビ開発、発売のハードルが下がったということで、各メーカーから8Kテレビが出揃うのも、もうすぐです。

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