今では4Kテレビがありますが、ここ数年、大きな動きがないように思えます。
フルハイビジョン全盛期の頃、今では懐かしくもある全チャンネル録画対応の東芝のCELL REGZA(セルレグザ)や、漆黒の黒を映し出せるパイオニアのプラズマテレビKURO(クロ)が話題となりました。確かに人気もあり、値段も高い以上にプレミアとして価値がでました。地デジ化、テレビ変え替え需要のため活気があったわけですから、日本もきっかけさえあれば、景気も好転するのかもしれませんし、活力を取りも出せるのかもしれません。
その背景の一つに業界を大きくリードするメーカーやけん引してくれる産業がなく、技術が底を尽きたように思えます。昔からメディア産業はスペックとしてはパソコン関連が引っ張ってきました。それはフロッピー時代からメモリ容量も激増し、CPUやメモリ技術が飛躍的伸びたからでもありました。今はそれが嘘のように大きく進化していません。しかし、テレビもスマホも高画質、高機能となりましたが、パソコンと並んだようになっただけで抜きんでた技術がなくなったからだけなのでしょうか。
これから、4K標準化、8K化して行くうえで重要なことは映像技術ではなく、どのように大容量データ処理し、高速化し、管理するかに掛かっているかと思います。それはIoT時代には不可欠な技術でもあります。今こうして4Kテレビが世に出てしまえば慣れてしまうもので、結局実現でき、当たり前のようになっていくものです。
かつてはフルハイビジョンテレビで技術的限界に達しているような印象があっても、CELL REGZAやKUROといった物々しいスペックで豪華さがありました。その後で何らかの対策として3Dテレビや安価なブラックパネルを売りにしてきました。
その頃も景気が悪いとか言いつつも今とは違うのは現実主義となってしまったからでしょう。4Kテレビでも8Kテレビでも数に物を言わせるようにCPUやメモリを大量に搭載しすれば、いくらでも実現可能なのです。
しかし、現実的ばかり考えてしまうと省電力の液晶テレビや売れれば良いだけの兼価版テレビなどばかりが流通し、本当に良いものやけん引する産業もなくなり、プラズマテレビ撤退や今のような停滞した、あるいは衰退する事態になり兼ねないわけです。つまり、それはそれで結果、損失が出てしまうものです。
もっと未来あるものにしていくには「小さな利益を得ようとすると大きな利益を逃す」という言い伝えもある通り、たとえエコな時代と言えども、時には大盤振る舞いの考えも必要なのではないでしょうか。
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